米国知財事情

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ビジネスモデル特許に関しては、米国企業間の大型訴訟が続発したため、攻撃的な側面が強調されてきたように思われる。このため、企業では新しいビジネス方法の開発、そして出願をめぐる対立、そして競争が激化の一方である。だが、ビジネスモデル特許で成功を収めた米国企業の動きを詳細に観察するとき、少々意外な動きを見ることができる。

ライセンス契約あるいは譲渡によるビジネスモデル特許の友好的活用である。訴訟による企業間の対立は報道されて注目を集めるが、ライセンス活動や権利の譲渡は静かに潜行する。だからライセンス活動の実態はあまり知られていない。何故ビジネスモデル特許に関するライセンス活動が活性化したのであろうか。

米国ビジネスモデル特許出願は急増し、年間5000件に及ぶものと予測される。これらの中で権利者によって実際に事業化されるビジネス方法は、5%以下に限られると言われる。残りの95%は、他社が活用しない限り、防衛あるいは休眠特許として埋もれてゆく。権利者としては、休眠させるよりは、低額でも譲渡あるいはライセンス契約による特許の活用は魅力である。だから、大半の権利者は、ライセンスに関心を持つものである。

逆に非権利者の立場から見るとき、自社で開発できるビジネスモデル特許の数には限界がある。開発に要する時間と資金も負担が厳しい。

埋もれた特許の数は増え続ける。それらの中には価値ある特許も確実に隠されている。優れた休眠特許を低額で譲り受け、あるいはライセンスを受けて企業化できれば、時間と資金は確実に節約することができる。先見性のある米国企業がそこに眼をつけた。だから今、ビジネスモデル特許をめぐるライセンス活動は、深く静かに、しかし確実に進行している。

米国ビジネスモデル特許に関し、最も攻撃的な訴訟活動で成功したと見られるのは、ワンクリック方式Eコマースのアマゾン・ドット・コム社、逆オークションのプライス・ライン社、そしてハブ・アンド・スポーク方式投資システムのシグネチュア・フィナンシャル・グループの3社である。実は、これらの3社は、いづれも訴訟以外の友好的なライセンス活動、そして権利譲渡においても最も活発な企業なのである。

つまり、攻撃的な訴訟と友好的なライセンス活動・権利譲渡のバランスがとれた戦略を組むことができるとき、ビジネスモデル特許は、最も効率的に活用されるものと思われる。(完)

 

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