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米国知財事情 |
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批判論は衰退 ビジネスモデル特許は、米国企業間に多数の大型係争を招いた。 特に注目を集めたのは、ワン・クリック方式によるネット販売で急成長を遂げたアマゾン・ドット・コム社である。アマゾンは、ビジネスモデル特許を素早く活用し、最大のライバル企業バーンズ・アンド・ノーブル社を提訴した。ところが、アマゾンの圧倒的勝訴は、産業界にビジネスモデル特許に対する深刻な危惧を招いた。ビジネスモデル特許によって業界は独占されてしまうのではないか。その結果、批判論が続出し実務は混乱に陥った。 米国ビジネスモデル特許は、今どこへ向かおうとしているのであろうか。 最近の米国企業、裁判所、そして特許商標局の動きをつぶさに考察するとき、混乱の見られた米国ビジネスモデル特許には、一つの方向性が見え始めたように思われる。ポイントは三つある。 第一に、ビジネスモデル特許を否定する批判論は、急速に衰退した。きっかけは、アマゾン社に敗れたバーンズ社の立ち直りである。バーンズ社は必死に設計変更に取り組んだ。その結果、ツウ・クリック方式を採用することにより、低迷していた業績は既に回復を見せている。ビジネスモデル特許があっても、独占は回避された。つまり、限りなく広く見えたビジネスモデル特許の権利範囲も、真剣に対応すれば、設計変更による競業が可能であることが実証されたわけである。 第二に、米国連邦裁判所と特許商標局のビジネスモデル特許に対する基本的対応は既に明確である。5月23日、特許商標局が発表したアクション・プランに従えば、ステート・ストリート銀行事件およびATT対エクセル事件における連邦裁判所判決に沿い、ビジネスモデル特許の審査に関するガイドラインが改正される予定である。そこでは、ビジネスモデルに関する発明は、他の発明(電気、機械、化学等)と同様、通常の特許要件(新規性、非自明性、有用性等)を満たす限り、特許を許される。また、審査の質を改善するために、通常の審査官の他、上級審査官による再確認を条件とする。 第3に、ビジネスモデル特許の対象となる発明分野の拡大である。いわゆるドット・コム関連企業を中心に展開を見せていたビジネスモデル特許は、今、明らかに裾野を広げ、新たな分野における展開が注目される。その中心となっているのは、(1)電子マネー、投資、決済をめぐる金融ビジネス、(2)配送、倉庫管理等の物流システム、そして(3)伝統的な製造業が導入する部品購入、修理、注文管理に関するネット・システムである。(完) |
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